うちの家訓は、人生はギャンブルだ、だと聞いている。英語だとLife is gamble。親父が言い出したようだったが、お袋もこの点は厳しかった。賭け事は神聖なものだと。
小学3〜4年生の頃だったか、夏休みのプールの日がいつだったかでお袋と意見が食い違った。○○日だとお袋が言うが、絶対に△△日だと自分は言い張る。そのうちに、お袋「賭ける?」、自分「いいよ」、お袋「じゃあ1万円!」、自分「乗った!」。
お袋は学校から保護者へのプリントを持っているから当然正しい訳で、負けた私は郵便局にお金を引き出しに行かされた。
緊張した小学生が一人でお年玉貯金をおろしに来て、郵便局のお姉さんは「ボク、何に使うの?」とニコニコと言い、自分はなんだか急に悲しくなって目にいっぱい涙を溜めて「賭けに負けたの」。
その郵便局では、その後いつ行ってもその話を持ち出された。
小学2年〜4年まで家にあったオルガンを使ってピアノを習っていた。その後やめてしまっていたのだが、中学になってから急に本物のピアノが弾きたくなって、買って欲しいと頼んだ。お袋は親父と相談したようで、じゃあ一筆書け、と。結局、私有松太郎はピアノを買ってもらっても勉学をおろそかにしないことを誓います、てなことを書かされた。
ピアノが弾けるのは嬉しかったが、定期テスト前などにテレビを見たり遊んでいると、すぐにその一筆を持ち出され、閉口した。
今後1年間は、のように期限をつけておくべきだった、と後から思った。

